イノッチの鉄道模型ブログ

日常生活の中のトピックスを気ままに書きます。鉄道模型製作や畑作業が中心です。
これまで製作した鉄道模型作品は、ホームページ「イノッチの鉄道模型」inoyoshio.jimdo.comに載せていますので、こちらもよかったらみてください。

自動運転で生じた問題点

 パワーBOXを使って自由に運転するのと違って、「自動運転」はスタートONであとは運を天に任せて想定通り進んでくれるか、いわばドミノ倒しで最後まで到達できるか、ハラハラドキドキのスリル満点の進行を楽しめるスタイルとも言えます。途中に潜むトラブル要因をいかにスケッチ的に、構造的に、滑らか的にクリアできて終点にたどり着けるか、それなりにやりがいがあります。


 前回 自動運転がほぼうまくいったので、反省を込めていくつか問題点を挙げてみます。(1)スローダウンして駅に停車する制御ですが、停車位置がホームを外れる。
(2)発車指示が出ているのに動かず、ちょっと手で押すとスタートする。
(3)位置情報のキャッチに「リードスイッチ(RS)」と「ネオジム(永久磁石)」を使ったが、景観上 見苦しい。


その前に、まず使用した電車です。写真で見ると大きさがずいぶん違いますね。いずれも一昨年の製作ジオラマ「ゆずる鉄道」を継承して使っています。写真左が「箕面観光鉄道」として使ったTOMYTECの筑豊電気鉄道2007号3両編成、右が阪急電車の車体に台車を付け、Bトレ8200系の前面部分だけ貼って前面後面ともこのスタイルにしたものです。正面の行先表示はまだ一昨年のままです。中央の顔は箕面市のゆるキャラ「滝の道ゆずる君」です。これも今回そのままにしています。


地元箕面市のゆるキャラをもう一度PRします。箕面市の名産「ゆず」から命名した「滝の道ゆずる君」は、毎年の全国ゆるキャラコンテストでは6~9位あたりにいます。左は一昨年製作の ゆずる君(紙粘土、身長約2cm)で、ジオラマでは箕面駅前のロータリーに鎮座しています。顔だけを別に描いて電車の正面に貼り付けています。


さて自動運転で生じた問題点の(1)停車がホームからずれる件です。「渓谷線」の駅は全部で3つ。2つの駅はホーム内に止まるのですが、この「滝下駅」だけが大きく35㎜くらい外れています。


Arduinoのスケッチで設定した基幹速度とスロープ速度を調整して3つの駅ホームに全て収まるように何度もトライしました。センサーを検知して止まるまでの制動時間を調整するのですが、問題は特にこの駅の場合、行き帰りで同じ制動時間でも制動距離が違うのです
その理由は上図チャートの説明文①②③と思います。
①はモータと伝達機構に正逆で微妙に差が出ているのでやむを得ない。
②は次の写真で、ポイントに進入してくる車両に分岐/直線で速度が微妙に違う。


分岐線からの進入はカーブなので負荷がやや多い(のではないかと勝手に想像)。
理由の③は、往路/復路の進入は検出点RS4をいずれも通過してスローダウンするのでArduinoの設定は同じなので、分岐/直線個々に設定ができないというわけです。
 そこで最後の手段、ネオジムの車体取り付け位置を変えることにしました(前前図のAのネオジムの位置を後方へ40㎜移動)。この結果、分岐からの進入にはネオジムAが、直線からの進入ではネオジムBが効いてうまくホーム内に停車できました。ネオジムAの移動で当然他の2つの駅にも影響がありましたが、都度調整してOKでした。


さて問題点の(2)発車指示が出ているのに動かず、ちょっと手で押すとスタートする件です。自動運転の泣きどころで、スタートしないとそのままの状態になり人が手を添えるかリセットボタンを押したりしなければなりません。特に展示会では人が横にいてフォローすることが必要になります。確実にスタートさせるために、上図の赤丸のように、スタート時はゼロからのスロープ発車ではなく、一定の速度信号を与えてスタートさせる方法としています。この一定の速度信号を大きくすると「ガクン」と急発車してしまうので適当な値にしています。


3つ目の問題点 位置情報のキャッチに「リードスイッチ(RS)」と「ネオジム(永久磁石)」を使ったが、景観上 見苦しい。この件については、従来からこの方式を使っており、見た目はよくないですが今回もこの方法にしました。ネオジムの大きさは7x10x2つまり厚みは2㎜で車体の脇に貼り付けています。センサーの方も当初からの「リードスイッチ」にしています。一番いいのは台車の下に磁石を取り付けてレールの間の道床にセンサーを埋め込む方法と思います。次回のテーマにします。


ただ今回の、ホームからの停止位置を調整するにあたって、ネオジムが車体両側にあったおかげで往路用の調整ができました。
次回は、ジオラマにまだ採用できていない「踏切の遮断桿の動き」にトライする時期となりました。

Arduinoで2列車同時自動運転がやっと達成

去年の正月から構想を練って、地元箕面国定公園(箕面駅~勝尾寺)をレイアウトして観光鉄道を走らせ、やっと2系統の各列車を同時に自動運転できるようになりました。


改めて製作のコンセプトは、
(レイアウト)
・箕面国定公園の名所/名跡を選び、ジオラマ風にアレンジして地元の人にアピールする。
・箕面大滝の奥 源流は高低差を意識した地形にし、山間を走る軌道(高架線)と谷や渓谷を走る軌道(渓谷線)を箕面駅~勝尾寺間に敷設する。
(列車の制御)
・2系統それぞれにArduino UNOを使い、駅の発車/停止をスロープ制御する。
・スタートボタンONでそれぞれ2往復運転し、同じ時間に走行するタイミングを設ける。
・高架線(勝尾寺線)は単純な単線の軌道、渓谷線は途中ポイント切替によるループ軌道として、時計回り/反時計回りの行き帰りとする。


まずは運転動画です。

Arduinoで箕面国定公園に観光列車を自動運転する!
この動画を撮るために、レイアウトと車両走行制御に合計2年かかったことになります。箕面大滝までの「滝道ユニット」、ダム、勝尾寺のある「山岳ユニット」。この2つのユニットを連結したままでは収納ケースに入らないので分離しますが、せっかく全線開通したのでしばらくは運転を楽しみたいです。


ここで、完成後の"車両と景観"を撮ったので、紹介します。


まず「渓谷線」から‥‥
箕面駅を出発する観光列車「ゆずる号」です。


龍安寺に架かる「赤い橋」をくぐって箕面川沿いに走っていきます。



滝の地下にある「滝下駅」に入線するところです。


やがて滝下駅を出発して切替ポイントを直進して加速していきます。


崖下に広がる市営キャンプ場の横を軽快に進んでいきます。


やがてキャンプ場の入口ちかくにあるバンガローが目に入ってきました。


勝尾寺に来ました。その地下駅に入ろうとしています。


再び箕面駅に向けて「地下駅」を出発しました。


トンネルから出てダムから放流される水路を渡って、反時計回りに先ほどのキャンプ場に戻ってきました。


その先に勝尾寺に通じる車道橋が見えてきました。この橋は「ゆずる号」から20m以上の高さで架かっています。


つぎに、高架線「勝尾寺線」の動きです。この阪急電車は大阪の中心「梅田駅」から乗り換えせずに「勝尾寺駅」に直通運転しています。阪急電車そのものです。


大阪梅田駅から入線してきた阪急電車は勝尾寺駅に向けて出発します。


120パーミルの急勾配を一気に上がっていきます。


一気に上がったところでは、眼下に大滝が見えます。


大滝を見た後、ダム橋にさしかかります。一気に駆け上がった電車は通常の速度にパワーダウンしてほどよい速度でダム橋を通過します。


ダム橋にかかりました。ダム擁壁のすぐ横を平行に進んでいきます。


橋を渡り切ったところに「箕面川ダム遊歩道 第4種踏切」があり、ハイカーたちが電車の通過を待って渡ろうとしています。


終点「勝尾寺駅」に到着です。ここまで書いて一段落です。お疲れ様。

コロナ禍での日常

第4波が始まりつつある新型コロナ禍でも、私の近況に特に変わったところはなく、早朝の体操/太極拳、近くにある桜堤の花見、ジオラマ/ブログづくりなど。今回もその話題です。


一つは 数日前の太極拳で考えさせられることがありました。30名ほどがカセットで曲に合わせて演舞している途中で、会長が突然「ストップ!」といってテープを止めてしまいました。その間約1分。みんな文句も言わず静かに待っています。なにやらしたあと再びテープが回って演舞が再開されました。


せっかくそろって演舞しているのに急にテープを止めたのは、カセットの電池がなくなりかけたらしいのです。中断のあいだ、うすうすわかりましたが、もし私だったらせっかく整然と合わせて演舞してるのに中断はないだろうと思いました。最後までできたはずです。


しかしよく考えてみると、会長と私の"度量"の差に気付かされました。もし途中でテープが次第にスローダウンして止まったら演舞がバラバラになる。そうならないうちに「ストップ」と発して再開する。その"決断"が私と違うなあ‥と。長く会の運営に尽力されている会長の一面を見た思いでした。


2つ目は桜です。これは私のパソコンの待ち受け画面です。パソコンを立ち上げると明るい気分になります。今年もクルマで30分の高槻市の桜堤に、妻、次女、ワンちゃん、私で行ってきました。


今年は木によって開花にバラツキがあり、駐車した付近は7分咲きです。


さくらのトンネルが1.5kmくらい続いて、格好の穴場スポットです。


用水路が堤に沿って続いています。


鯉もけっこういますよ。赤い鯉の左下にもいます


堤の始点にチューリップ園があり、平日で のんびり楽しむグループがちらほらいます。


当家のピノは遭遇した相手に気後れしていました。


さて、ジオラマのコーナーに戻ります。
「箕面観光鉄道」のレイアウトは終っているのですが、これからの作業は車両走行と踏切遮断機のArduino制御です。


巾が2400㎜あるので、脚立に上がって全容を撮りました。天井近くまでデジカメを上げて真上からやっと撮れました。
どういうわけか自動運転にこだわる私です。いまは高架線(勝尾寺線)の速度調整に取り組んでいます。1.1mのあいだに11cm上がる勾配(最大120パーミル)があるので、全線2400㎜を同じパワーでは走行できません。坂の上り下りや水平部分を結果的にほぼ同じ速度で走行させる必要があります。


そのため検出点「RS8」「RS9」を新規に設けました(ここまで既述)。上りではパワーを全開に、下りでは低く、水平区間は中間程度にしなければいけません。


上図の「val」はArduinoスケッチの変数で、「val / 4」が速度MAXです。「4」の部分を大きくするほど速度が遅くなるので、自由に設定できます。試行を重ねてなんとか見られる自動2往復運転ができました。



Arduinoで「勝尾寺線」2往復自動運転
上記動画「勝尾寺線(高架線)」の手前に広がる平面を走る「渓谷線」も、速度や停止位置の調整中で、2系統のそれぞれの列車を同時に走行させるのが目的の1つですので、次回精度を上げて動画に撮りたいと思っています。